課題 >> 20. 「バトル・プラン」 を読んでください。

バトル・プラン

ゴールは、ターゲットごとに実行される計画とプログラムを系統立てることによって達成されます。 個人やグループは、ターゲットとプログラムの完了につながる行動を、毎日、毎週実行しなければなりません。 プログラムの実行、計画の完了、ゴールの達成のために使えるツールがバトル・プランです。

「バトル・プラン」は、以下のように定義されます。

翌日または翌週に向けたターゲットのリストで、戦略計画を推し進め、当座の活動とそれを妨げるアウトした状態に対処するもの。 (アウトした状態とは、何かが間違っていたり、正しくなかったり、何かが欠けている状態あるいは事実のこと。) 

中には、単に翌日や翌週に完了したいと望む一連の行動として「バトル・プラン」を書く人もいます。 それは結構なことですし、何もないよりはましで、実際、人の行動に何らかの方向性を与えてくれます。 実際、これを行わない人は、行う人に比べ、こなせる仕事の量がずっと少なくなり、よりたくさん悩まされ、そして「忙しい」目に遭う確率がもっと高くなります。 翌日や翌週に行うつもりでいることを秩序正しく計画し、それを完了させることは、生産物を手に入れる非常に優れた方法です。 けれども、それではツールとしての「バトル・プラン」の利用は最小限のものになります。 

定義を取り上げてみましょう。 そもそも、なぜこれが「バトル・プラン」と呼ばれるのでしょう? 管理運営の日常世界で用いるにしては、とても荒っぽい軍事用語のように思えます。 しかし、それはとてもふさわしい用語なのです。 

戦争とは、長期にわたって起こるものです。 あらゆるものの運命がそれに懸かっています。 戦闘(バトル)は、短期間に起こるものです。 いくつかの戦闘に破れても、それでも戦争に勝つことはあります。 したがって、バトル・プランというと、基本的に短期間の話をしていることになります。 

これには続きがあります。 戦争というのは、長期にわたって起こる一連の出来事です。 将軍であれ、事に当たる指揮官であれ、戦争に関する限り、何らかの戦略計画を立てずに戦争に勝ったためしはありません。 これは、戦争やその領域での行動全体に関係するものです。 

これは大きな、上層レベルにある構想です。 これは、極めて一般的な形で提示され、明確な目的を持ち、アドミン・スケールの一番上のところに当てはまります。 

戦略計画の下には戦術計画があります。 戦略計画を実行するには、その実行に欠かせない活動の展開と行為の計画がなければなりません。 戦術計画は普通、軍隊では組織図の下部で立てられ、通常は戦略計画を実行するために用いられます。 (「組織図」とは、ある組織における機能、職務、活動の順序、および権威を示す図です。) 戦術計画は、「二等兵のジョーは、機関銃を10番の木立に向け、何かが動いたら発砲すること」という次元の行為にまで至ることもあります。 

「中間管理」とは、上は連隊長から下は伍長までを指し、戦略計画の実行に関与します。 

上層部の計画作成部門が戦略計画を練ります。 中間管理は、この戦略計画を戦術命令に変換します。 彼らはこれを長期的、短期的に行います。 短期的なものに手をつけるようになると、バトル・プランを持つようになります。 

したがって、バトル・プランとは、戦略計画を厳密な実行可能な「ターゲット」に変換することであり、それらのターゲットは、近い将来に取り組まれる動きと活動の形で実行されます。 したがって、優れた戦略計画が優れた戦術ターゲットに変換されて実行され、前進につながるわけです。 この一連の活動が首尾よく行われれば、戦争に勝利がもたらされます。 

これでバトル・プランとは実際に何なのかがわかったと思います。 それは、近い将来に短期間で実行されるターゲットをリストにしたものであり、戦略計画の一部を実行に移して実現させるものです。 

したがって、最も望ましい管理運営とは、戦略計画があり、それが少なくとも戦術計画作成者に知らされているものであることがわかります。 戦術計画作成者とは、戦略計画をターゲットに変換させる人たちです。そのターゲットは、中間管理職から下の人たちに知らされ、実行に移されます。 これが実行されれば、管理運営は非常にうまく行きます。 

もちろん、どの組織的活動の価値も、戦略計画の健全さに懸かっています。 

しかし戦略計画は、限られた資産の中で実行可能なターゲットの形で書かれたプログラムやプロジェクトに懸かっています。 

「コンプライアンス」というのは、実際に完了したターゲットのことです。 ターゲットを実行している人は、全体的な戦略計画や、このターゲットがその戦略計画にどのように当てはまるのかを知らないかもしれません。しかし、そこにあるターゲットが全体の戦略計画を完全にではなく、ある程度にしか実施しないのであれば、その管理運営は、実際、非常にお粗末なものと言えるでしょう。

「調整」とは、実際に戦略計画を戦術的な形で考えたり監督したりすること、そしてより下の階層(組織における責任の階層)で、それを実行するのに必要な実際の物事を行う人々の活動を調整し、それらがみなひとつの方向を向くようにすることです。 

これはみな「整合性」の範疇(はんちゅう)に入ります。 例えば、大ホールに大勢の人々を入れ、彼らがてんでばらばらの方向を向いている時に、突然走り出すように叫ぶとします。もちろん、彼らは互いにぶつかり合い、すっかり混乱してしまうでしょう。 これは戦略計画がスムーズな戦術計画に変換されておらず、その枠組みの中で実行されていないという状況です。 このホールの中で走り回っている人々はとても忙しくしていて、半狂乱でさえあるかもしれません。そして、彼らは仕事に精を出して生産していると言う人がいるかもしれませんが、それは間違いなく真っ赤な嘘です。 彼らの活動は調整されていません。 さて、この同じホールにいる同じ人々を使って、ホールの掃除といったような何か有益なことをさせるとします。すると、特定の個人が行う箒(ほうき)やモップを使った特定の活動(誰が掃除道具を手に入れ、誰がゴミを捨てるのかといったこと)を扱っていることになります。 「会議のためにホールを整える」という戦略計画は、正確に誰がどこで何をするのかという戦術計画に変換されます。 それが戦術計画です。 結果は、会議のために整えられた清潔なホールです。 

さて、「会議のためにホールを整える」をちょっと見れば、それが全体の戦略計画の小さな部分でしかないことがわかります。 つまり、戦略計画そのものをより小さなものへと分割する必要があるのです。 

したがって、バトル・プランは組織の長のために存在し、それには数多くの要素が含まれており、それが今度は下の役員たちに渡され、彼らは自分の領域のためにさらにずっと具体的なバトル・プランを書くということがわかります。 したがって、全体的で大規模な計画が細分化され、それがさらに細分化されるという段階のスケールが存在することになります。 

このすべてに対する試金石は、それが戦略計画全体を全般的に推し進める、価値のある結果につながるかどうかです。 

上記のすべてを理解すれば、調整という要素を習得したことになります。 

そのような計画には、実現の可能性がその一部として含まれます。 これは利用可能な資源によって左右されます。 したがって、拡張している途上にあったり、大きなプロジェクトを試みている組織に対するターゲットとバトル・プランには、組織化に関する計画、ターゲット、バトル・プランが含まれるようにし、組織が拡張しながら維持され続けるようにしなければなりません。 バトル・プランは、「明日は何をしようか?」とか「来週は何をしようか?」という質問をもとにするのではなく(それはそれで構いませんし、ないよりはましです)、「この戦略計画を実行するために、この戦略計画のこの段階において必要な厳密な結果を限られた資産の範囲内で達成するためには、実際に何をすればいいのか?」といった全体的な質問をもとにして書きます。 そうすれば、翌日や翌週のバトル・プランが手に入ります。 

バトル・プランを書く際には、ひとつ注意すべきことがあります。 戦略計画とはほとんど、あるいは全く関係なく、人をひどく忙しくさせ続け、戦略計画全体のどの部分も達成しないようなターゲットを非常にたくさん書いてしまうことがあります。 そうして、バトル・プランが負担になってしまう場合があります。それは戦略計画全体を全く推し進めておらず、戦術上の目標を全く達成していないからです。 

それでは、「バトル・プラン」とは何でしょう? それは、戦略計画全体の中の望ましい部分を達成する、実行可能な複数のターゲットを書いたものです。 

バトル・プランにおけるターゲットの設定を理解して使いこなすことは、全体の目的を達成するために不可欠なものであり、その達成によって、生産、収入、サービス提供の増加がもたらされ、その他、望ましい結果が得られることになります。 

バトル・プランをうまく立てられるかどうか、またそれを実行できるかどうかが役員の試金石です。 このツールは、どの職業、どの活動においても利用することのできるものです。

何かが正しくないか間違っている、または見付からないという状態あるいは事実のこと。

組織化に関係する主題に順序(および相対的な優先性)を与えるスケール。ゴール、目的、方針、計画、プログラム、プロジェクト、オーダー、理想の光景、スタティスティックス、価値ある最終生産物で構成される。 思い描かれたゴールを意図した通りに首尾よく達成するためには、それらのひとつひとつが連携の取れた形で機能していなければならない。 このスケールは、それらの整合性を取るのを助けるために使われる。

機能、職務、コミュニケーションの道筋、行為の順番、組織における権限を示している図。 組織図は、生産物を得るための組織化のパターンを示している。

常設の軍隊で、通常は数千人規模の兵士から成る。

陸軍。空軍の階級のひとつで、最下級の下士官。軍曹の下、兵長の上。

何かに対して徐々に取り組む方法であり、それはステップごと、またはレベルごとに取られる。そのステップまたはレベルひとつひとつは楽に達成できるものである。そして最終的にはかなり複雑で困難なことを、比較的簡単に行うことができるようになる。 この「段階」という言葉は、このような取り組み方で行われるステップそれぞれのことでもある。

個人またはグループの戦略計画を推し進める、翌日または翌週における正確に実行可能な一連のターゲットのこと。